可能な限り低く抑える

これは個人的な好みによるところが大きいので絶対条件というワケではありませんが、建物の高さは可能な限り低く抑えたいところです。

まずは外観デザイン上。階高、軒高が高すぎると、なんとなく間が抜けた印象の外観となってしまいます。建物が低いことで、ドッシリと大地に根差した、安定感のある外観がつくり易くなります。またコストを抑えるにあたり、サッシは極力住宅用の規格サイズを使用したいところ(もちろん例外はある)。そして「オシャレだな」とか洗練された印象の建物は、往々にして軒天いっぱい、もしくは室内から見ると天井いっぱいにサッシが入っています。住宅用規格サイズのサッシでコレを実現するために高さを抑えたいのです。

 

当社では一応、天井高は2,400mmを基本としています。吹抜や化粧梁を出す場合を除き、出来ればそれ以上は高くしたくありません。”居室の天井高は2,100mm以上”と建築基準法で定められており、実際に2,100mmの天井では大抵の人が「低い!」と感じる事でしょう。しかし逆に、最初は低いと感じる事があっても、生活する上で支障が無いのなら2,100mmの天井高で良いのでは?と思う・・・程度のものですが。お客さんから「天井が高い方が広く感じるから」と割とよくお聞きしますが、天井が高い=広く感じるとは一概には言えません。特に狭い部屋の場合、天井が高すぎると余計に狭く感じてしまう事もあります。明確な正解はありませんが、その空間に合った心地よい最適な天井高を採用していきたいところです。直観的なものですが「なんか低い方が落ち着く」みたいなところが私にはあります。

また、当社では意匠的に天井に造作を施す(高低差のメリハリを付ける)事が多いため、基本となる天井高は2,400mmあれば十分としています。

それと、以下は微々たるものかも知れませんが、実質的なメリットも存在します。

・天井や軒天が低い=壁の面積が少ない→少なからずコスト削減になる

・階高が低い→階段が緩やかになる、もしくは1段分減らせて省スペース

・天井が無駄に高い→落ち着かないうえ冬の暖房による暖かい空気はみんな上に行ってしまう

その高さが本当に必要なのか、今一度よく考えてみては如何でしょうか。

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