”キャプテン翼”に憧れた幼少期~サッカーを通して育まれた”我慢強さ”

 1979年5月、群馬県館林市。 祖父、父ともに学校の先生、すぐ裏の本家はお寺、という家に生まれました。

 保育園に通う当時、テレビで放映されていたサッカーアニメ”キャプテン翼”にとにかく夢中でした。 ちなみに、子どもの名前は”翼”、”つばさ建築工房”もこれに由来しています。

 J Leagueが開幕するずっと前、日本リーグやワールドカップなど知る由もなく、まさにサッカー=キャプテン翼の世界。 当時サッカーと言っても、往々にしてボールに群がり、みんなが来たボールをただただ蹴っ飛ばすだけのなか、ドリブルでボールを運ぶ事が出来た事、父がドライブシュートの軌道を図に書いて説明してくれた事、そしてドライブシュート!と言って、園庭で一際高くゴムボールを蹴り上げていた事を覚えています。

 1年生になると館林少年サッカークラブ(現:館林JSC、以下”館少”)に入団。母に連れられ、友達二人と一緒にサッカーをしに行った初日(体験入団?)の事をなんとなく覚えています。

 今でこそ、母校である市立第五小学校にも”すずかけFC”というチームがあり、市内でもいろんな少年サッカーチームがあるようですが、当時は私の所属した館少、一度も勝てなかった多々良FCをはじめ、市内には4チームしか無かったものです。

 その後、一緒に入団した友達二人は程なくして去り、テレビのキャプテン翼もいつの間にか終了。さらに4年生になると、周りの友達はみんな子供会(現在の育成会)の班別チームで野球を始めます。どういう決まり事なのかは疑いもしませんでしたが、4年生になると女の子はみんなドッヂボール、男の子は野球なのでした。

 近所には同い年で保育園からの幼馴染みがたくさんおり、放課後はその幼馴染み達と野球をする事も度々、また毎週日曜になるとみんなは一緒に野球なのに、自分一人だけ違う場所でサッカーの練習へ。そのため、野球をやっている友達が少し羨ましかったり、また練習が辛かったり、コーチが恐かったりで嫌になる事も度々ありました。

 でも「せっかくここまでやってきた事を、今やめてしまって良いのだろうか」という気持ちが芽生えます。

 他校から集まった館少の仲間達は、それはそれでかけがえのない存在でしたし、5年生の時から6年生のチームに引き上げられ、自分たちの代になってもレギュラーだった事もあり、結局は小学校卒業までがんばったのでした。

 その後、中学1年時の5月にJ Leagueが開幕。野球をしていた幼馴染み達も全員サッカー部へ。複数の小学校から上がってくるだけに、館少時代のチームメイトや先輩と再会できた事もあり、当然の如く自分もサッカー部へ。

 進んだ高校は栃木の進学校。サッカーは続けようか迷っていましたが、”とりあえず最初は何かしらの部活に所属しなければならない”といった話で、そうなればやはりサッカー部。しかし最初はたくさんいた新入部員も2年生になると半分以下に。そして自分たちの代になると、3年生だけではチームにならない7人にまで減っていました。そろそろ受験が気になってくる、でもやはり一度始めた事を途中で投げ出せない私。結局は毎年3年生最後の大会とされるインターハイ予選まで続けたのでした。なお、受験には失敗、一年浪人する事に(サッカーのせいではありませんが)。

 浪人の年はフランスW杯があったり、サッカーはほぼ観るだけでしたが、その後都内の大学へ進学。毎週のようにコンパがあったり、アルバイトをしたり、パチンコ屋へ通ったり、都内での初めての一人暮らしは様々な刺激に溢れ、楽しい事はたくさんありました。Ritchie Blackmoreをはじめ、ハードロックに目覚めたのもこの頃。そんな充実した新生活でしたが、それでもこれまでずっと続けてきたサッカーをしないのが心残り。プロを目指すワケではないので体育会の”サッカー部”に入るつもりはありませんでしたが、いつも一緒にいた仲の良い友達の中にサッカーをする者はおらず、当時工学部にはサッカーサークルも無い。そこで他の学部のサッカーサークルに入れてもらい、大学でも卒業までサッカーを続けたのでした。

 両親からは「健太郎は我慢強い」と言われ、小学生の頃から「自分の長所は我慢強いところ」と自覚していましたが、今思えば、どんなに大きなケガを負っても最後まで諦めずに目標を達成する、負けず嫌いで逆境に強い男”大空翼”の雄姿が頭の片隅にあったのかも知れません。やがて社会人となり、その我慢強さは一度始めた事は最後までやり抜く責任感の強さへと、また良くも悪くも、絶対と言って良いほど腹の底では自分の信念を曲げない頑固さへと育まれてきたのかな・・・と自分では分析しています。

小学生のころ毎週日曜日にキャプテン翼を目指した整地。渡良瀬河川敷の青少年広場。

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